FC2ブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



チェスのグランドマスターに、アレクサンドル・アリョーヒンという男性がいる。白と黒の斑模様の猫を抱いて、「盤上の詩人」と呼ばれたチェス指し。この作品は、<リトル・アリョーヒン>と呼ばれたからくり人形を操ったチェス指しの一生を書いたものである。
リトル・アリョーヒンは、生まれた時に唇が癒着していた。一筋メスをいれられ、唇には脛の皮膚が移植された。それでようやくおずおずと泣き声をあげた。
リトル・アリョーヒンの<チェスの宇宙>に欠かせない存在に、象のインディラ、ミイラと呼ばれる少女、マスターと呼んでいた彼にチェスを押してくれた人、小学校のプールで死んでいたバス運転手、猫のポーンなどがいる。その宇宙に内在する人物は徐々に増え、リトル・アリョーヒンのチェス指しとしての人生を豊かにしていく。
初めは無口で空想癖のあるだけだった少年が、マスターとの出会いでチェスの広大な宇宙に飛び出し、パシフィック・海底チェス倶楽部でリトル・アリョーヒンとなり、その後自分の新天地で幸せなチェスを指す、というこの一人の人物の一生に、チェスというものをよく知らない私でものめり込み、文字をひたすら目で追った。素晴らしい小説だった、そう、リトル・アリョーヒンの残した棋譜の様に奇跡的な。
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://kagenokemono.blog51.fc2.com/tb.php/863-6164f014
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。