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基本的に人からもらった本はなんでも読む。話題になったこの本だが、私は買っておらず、「バザーに出そうかと思ってたんだけどカバーもないし買う人いないよねえ」というから引き取った。

物語は健太郎という青年と姉の慶子の電話から始まる。
「祖父のことを調べたい」。
祖父とは現在家にいるおじいちゃんではなく、おばあちゃんの前の夫だった人だ。
名前は宮部久蔵。
そこまでわかっていれば、戦友会などのつてを辿って話を聞くことは可能だった。残念ながら生き残りは少なかったが。
姉は「この話をまとめて母にきちんと伝えたい」という。
バイトとして健太郎は老人たちの話を聞き始めるが、聴けば聴くほど宮部という男がわからなくなっていく。
が、宮部は確固たる信念のある男、ということは理解していく。臆病者と呼ばれても「家族の元へ生きて帰りたい」とつぶやいた彼は、一体どんな飛行機乗りだったのか。そしてどんな最期を迎えるのか。

とてつもない情報と攻撃戦の中で、宮部が唯一曲げなかった信念を、読者は最期まで読み切らされることになる。そして待っていた祖父の告解は、とんでもないものだった。
戦争というものをこういう側面から描いた作品は少ないのではないだろうか。多くの作品は大日本帝國万斉になるか、戦争はよくないよ、になってしまう。が、この作品はそのどちらとも違う。読んだ人間に、宮部というひとりの人間を通して疑問符を投げかけるのである。
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