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私の読んだバージョンがなかったのでこっちを貼る。
医療ミステリを書くのが得意な帚木蓬生の、自身のホームとも言える精神医療に関した意欲作だ。

主人公の水野は、フランス・マルセイユにある病院で精神科の内勤医をしている。
そこには麻薬医療に関する研究を進める偉大な博士がおり、その下で働く人々も優秀だ。
シモーヌという女性と日々を過ごしながら、水野の日常は満たされていた。
その歯車が狂い始めたのは、法王暗殺未遂の夜、首なし死体が解剖室から発見されてだった。
シモーヌの生まれ故郷で、水野は先日追い出した麻薬中毒の患者を見つける。
それをきっかけに、麻薬と精神医療という二つの「受難」が、結びついていくことになる。

これ以外の展開のしようがない、というほどの綺麗な終わらせ方だった。
出てくる人間全てが魅力的に書かれており、水野の剣道仲間や昔の教授が彼を気遣うシーンなどは、美しすぎてちょっと怖いぐらいだ。
今は当時より研究も進み、病名も変更され(例:分裂病→統合失調症)、人権は守られているかのように見える。が、どこかでもしかしたらこんな実験が進んでいるのかも、と思わされるだけの緻密な描写は凄みがあった。
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