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最近体調不良だったもので、「具合の悪い時にぐるぐるする文章を読むとどうなるのか」と思い手に取った。
「一本樒」「恵比須」「葛橋」の三本を収録。

「一本樒」
展開からラストまで、ばっちり”坂東眞砂子です!”という感じ。
地味な女が、妹の恋人の影に怯えながら夫と転がり込んできた妹との三人の生活を守ろうとする話。ミスリードを誘う場面が二箇所ほどあるのだが、結末は一番初めに想像した通りだった。これを読んでおけば、坂東眞砂子の書くホラーの展開がわかりやすいだろう。

「恵比須」
ひとつめと違い若干コケティッシュな内容となっている。もちろんラストはホラー小説だからぞくっとさせる描写をしているのだが、その結末に至るまでの文章が今までの坂東作品からはちょっと想像がつかない。
大家族の母が、海でひょんな拾い物をする。それが価値のあるものだとわかって周りの反応は変わる。そして自分はいつ変わるのか。
新しい世界、というのがどの年齢でもあるのだなあと思う。

「葛橋」
表題作。坂東作品には珍しく男性主人公だ。個人的にホラーとエロは切っても切り離せない関係だと思っているのだが、この作品はそれが前面に出ている。人を想う心は、ちょっと離れた場所からみると、恐ろしい。
証券会社に勤めるサラリーマンが、妻を亡くして故郷に一週間ほど里帰りする話。そう書けばなんちゃないものだけれど、この「故郷」が坂東作品ではしっかり作り込まれているから良い。

全体的に満足。わかりやすいホラーを望むならどうぞ。
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