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これが田口ランディの処女作ということになるのだろうか。編集者から「ヴェトナム行ってみませんか?」の一言でヴェトナム行きが決定し、チケットや宿の手配をまるっと人に任せやってきたヴェトナム。彼女のイメージは「うるさい、臭い」。窓のないホテルの部屋には慣れないし、ホーチミンはどこに行ってもゴミゴミしていて好きになれない。そんな田口に友人は電話で「ホーチミンじゃなくてメコンデルタに行け」と言う。そうしてガイドも断りカフェのツアーに参加することになる。
旅についてのエッセイは好きだ。ヴェトナムは一度は行って見たい。でも私はホーチミンのカオサンロードだけで満足してしまうんだろうな。
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田口ランディの人生相談風エッセイ。疑問の提唱の後にその答えがまず簡潔に表され、その後それについての文章が3章程度で続く……という構成になっている。
例えば「神様はいますか?」という疑問に対しては「たぶん、いると思う。」と返し、「死んだらすべて終わりですか?」に対しては「そうです。」と答える。
私は田口のスピリチュアルな部分の文章はあまり好きではないのだけれど、それに対して「すごいなー」とか「こうなったんだからこうだったんだろう」と素直に認めて感心する部分に対しては素晴らしいと思っている。私自身がそれをできないから尚更である。
全編にわたって田口の考える「人間」という存在を突きつけられる本。



デトックス効果なのか読み終わると同時に下してしまって大変だった。
というのは冗談にしても、この本に出てくる屋久島はあまりに魅力的で癒しの効果に溢れており、どうも実在の場所という気がしない。あとがきにある通り、「もののけ姫に出てくる”シシガミの森”」って感じなのだ。人間のファンタジーが介入してできてる妄想の場所、という雰囲気。
なんでそんなことを思ったかというと、まず田口が屋久島に初めて訪れてからのビフォー・アフターがすごすぎるからだ。エセアウトドア派が完全なナチュラリストになっちゃうんだからどんだけすごい島なんだ。そして出てくる人間も屋久島で人生の転機を迎えた人間ばかり。たまに地元の人間も出るが、その人たちも島を有難がって大事にしている。
今の日本でこういう扱いを受けてる場所って少ないと思う。富士山や北海道の地名に見える程度で、他には思いつかないな。
そして田口が後半では、島にやってきた初心者を暖かく迎える側になっていることも気になる点だった。いつまでも異邦人でいさせないところが屋久島の素晴らしいところなのだろうけれど、エセアウトドア派だった時と対してやってることは変わらなくないか? と思ったのは内緒にしておこう。



このインパクトある表紙の実物を私は見たことがある。
京都は東山区にある、崇徳天皇をお祀りしている安井金毘羅宮だ。
いやもうすっごいの。縁を切りたいもの同士を札に書いて石に貼り付け、その石に開いた穴をくぐりぬけるんだけど、行きは「悪縁を切り」、帰りは「良縁を結ぶ」ということで二度潜る。お腹が支えて通れないかと思ってドキドキした。
詳しく知りたい方は写真をネットで探すと良いです。おどろおどろしいよ!
そんな怨念を表紙にした田口ランディ初期の短編集だ。

『再会』
未練を持っていた男に声をかけられてベッドインする話なのだが、その別れていた間男女共色々な経験をしてきたわけで、となるとベッドも変わるわけでーーコミカルに書いていて非常に面白かった。入り口にぴったり。
『悲しい夢』
新潟の監禁事件が話題になった頃、中学生の女の子の間ではその監禁された女の子の視点で見る夢が流行っていた。主人公たちは声をかけてメールでその夢を見るという女の子を集め、みんなで泣く。悲しみは誰かが一緒に悲しんでくれることで減るのだろうか。
『アイシテル』
エイズの患者とセックスするというボランティアをしている女性の話。受け持っている男性が道すがら「死神」と間違えられた。話を聞いているとーー。愛情を求めるというのは、完成された関係にではなくて不完全な関係にというのが一番心に残る。
『夜桜』
離婚して田舎に帰ってきた女性が、小学校の満開の桜を見にふと足を向ける。そこで昔の同級生と偶然再会する。二人の女の別々な「人を好きになるときのエネルギー」が描かれていて、それを当然だと思ったり不思議だと思ったり、そんな違いが面白い。
『夜と月と波』
親友と呼べるぐらい仲のよい女性に、子供ができる。だから急いで結婚式もするという。主人公はそんな女性に惚れていたため、ショックを受けてふらふらと川を眺める。この短編集の中では一番メルヘンな話かもしれない。ラスト一行に至るまでの心理が短いながらよく書かれている。
『縁切り神社』
表紙で期待するようなオカルティックなことはなにも起きない。ただ、自分の名前が縁切りの絵馬に乗っていることを見てしまった女の話である。それが面白いのだ。
『世界中の男の子をお守りください』
べろんべろんに酔っ払って出会った男の子の部屋に泊まったときの、ちょっとほんわかする話。その男の子はまさしく「男の子」で、年上の女からすると庇護したい対象となる。それがこのタイトルの祈りなのだ。
『島の思い出』
屋久島の縄文杉を見に行くときに出会ったガイドとの、心の交流の話。全てを捨てる決心をして屋久島にいった女が、全てのしがらみがなくなったときにもう一度島に行く。そのとき何を思うか。それはありふれた感情なのかもしれない。
『どぜう、泣く』
10年も前に別れた恋人と、ネットのオフ会で再会した。当時の恋人のことは、いつも地下鉄に乗るたびに思い出していたのだったーー。最終的に、善意が人にトドメを刺すというのがいい。すごく面白かった。
『恋人たち』
結婚を目前に控えた女に、前の恋人から電話がかかってくる。内容もありふれた電話なのに、なぜかその電話で女は一大決心してしまう。男女の不思議だよなあ。
『エイプリルフールの女』
不倫相手の奥さんが死んだ。女にとって男とは一体なんだったのか。奥さんの葬儀に出席して女は「男を抱く」ということについて考える。この話好きだなあ。結婚とか子供とかが意識の外側にあるときに、それを目の前に突き出されて受け取れるか。そもそも本当に突き出されているのか。自分が首を伸ばしているだけじゃないのか。
『真実の死』
自分が陰気な女だと自覚している次女が主人公。長女の出産のため田舎に帰ってきたら、赤ちゃんは保育器の中でぐったりしていたーー。どんなに短い間でも、誰かと共に過ごしたことは無くならない。その事実は残っていくのだ。



少し不思議な物事にまつわる、小説ともエッセイともつかない掌編集。
神様や幽霊や超能力。それらは本当は日常の隣に存在していて、チャンネルを合わせたらきっと誰でも接触できるものなんだろう。ただ、普通の人間にはその周波数がわからないだけなのだ。
田口ランディには霊能力や超能力はない。本人もそう宣言している。
でも、不思議に好かれる。
それは彼女の順応性が高いからで、そして素直だからで、それがとてもうらやましい。
不思議に好かれるって、人に好かれるのと一緒なのだ。



田口が行った聖地とそこの水にまつわる話が書かれている。
当時聖地巡礼ブームがあったのを踏まえると、その火付け役はこの本だったかもしれない。

芸能の神を祀っている天河弁財天の節分の夜。
日本一の繁華街「渋谷」の地下を流れる水とその始まり。
ひかりとあめの降る島、屋久島。
日本最大の霊山富士山。
北の聖地知床。
パラレルワールドのような「広島」と「ヒロシマ」が重なる場所。
仏ヶ浦、恐山からアラハバキ神社まで、北のワンダー青森。
こんこんと湧き出る水に自我を流して癒される熊本。
自分と似ている波動を持っているとされる茨城鹿島神宮。
そして誰もが知っている出雲大社で自分のOSをヴァージョンアップ。

なんとも満喫していて楽しそうな旅である。が、本人は楽しいだけで行っているのではなく、きちんとその場所に敬意を払ってお祈りをしたり訪れたりしている。
私も聖地を共に廻れる友人が欲しいな、と心底思った。




 世の中便利になったものだ。電話一本で人はつかまるし、つかまらなかったらメールすれば良い。大事な用件だったら留守番電話が機能してくれる。
 それでも変わらないのは、男女の関係ぐらいではないだろうか。
 この作品は、
「アカシヤの雨に打たれて」
「それぞれ孤独に」
「花嫁の男友達」
「四月になると彼は」
「海辺のピクニック」
「海辺のピクニック、その後」
「健康のため吸いすぎに注意しましょう」
「電話を待ちながら」
という短編で形成されている。どれも電話が重要な小道具の役割を果たしており、視点は全て恋をしている女性のものだ。年齢も私の世代にぴったりフィット、といったところだろうか。
 なにが悲しいって、この作品には男女の電話はほとんど出てこない。(主題にしている作品もあるが)大体が女友達との電話で、それはあけすけであっけらかんとしていて、みるものを「そうだよな」と共感の波に流してしまう。そのあたりがうまい。
 誰かとつながりたくて溜まらない夜、この恋愛短編集を読んだら、もしかしたら電話する勇気が出るかもしれない。




 絵本のような不思議な読後感。時折はいるイラストが神秘の世界を感じさせてくれる。とある女性の一生を描いた短編小説。



女同士の猥談を彷彿とさせる文章だね。
書き散らかしだし、読み辛いけど実は全然軽く無い内容を書いてるんだなあ。
「本来のタイトルは『淫乱菩薩』だった」って書いて有ったのは、ちょっと衝撃だったな。



まあ別に解決して欲しいとか思ってないから良いんだけど、疑問は投げっぱなしだよね。
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