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この作品集を読むとサブカルメンヘラBBAなので涙が滲みます(鼻をすすりながら)。
「デッサン」に収録されている作品以外のレビューを。

「day dream beliver」
幼馴染の少年と少女が、少女の引っ越しによって別れ別れになるも5年後再会、少女は少年に「付き合わない?」と言いそのままずるずるとデートするも少年は男女の交わりに嫌悪をもっているのでうまくいかずーーみたいな。
性行為を嫌悪する少年っていうのが小野塚漫画にありがちなファンタジーなんだけれど、それが少女の傷を癒すシーンというのはすごくいいな、と思う。

「熱帯」
夏休みの教室に監禁されて数日間先生にやられっぱなしの少女の話。この時期小野塚はネームがなかなか描けなかったらしく、あんまり出色の出来って感じではない。セックスにしか訴えられない不器用さ、というのは共通して持っているある意味の理想像なのかもしれない。

「ニコ・セッズ」
義理の父親に12の頃から犯されていた過去を持つニコは、兄の月人のことが大好きで体の関係を持ってしまう。ブラコンというより狂気に近いその愛情は、周りの人間を巻き込んで彼女の運命を決めていく。
近親相姦を否定と肯定の両方から描いている意欲作だなーと。義理の父のレイプはとことん否定として描いて、兄妹のセックスはそれを癒すための手段として描いているわけだけれど、きちんとそのラストにその行為は心に傷をつけるだけのものだということを示していて、本当にこう…えぐられるような…とにかく読んでみてほしい。ラストシーン安彦に対するニコの行動、じわっと涙が出てくる。
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小野塚は昔から好きな作家なのだが、今回からきちんと読み返してレビューすることにした。
「デッサン」は6本収録している。

「COMING OF AGE」。友達の父親であり大学の教授である男性と不倫の関係に陥った少女の話。小野塚には珍しく生々しいセックス描写が少なく、主人公がなぜ教授を好きになったかなどの心の機微をメインに描かれている。
個人的に素晴らしいと思ったのは、教授の「20の誕生日には何をしてあげようか」というセリフ。教授曰く20歳は特別なのだ。主人公はそんな特別なものはいらないというのだが、ここにお互いの奉仕の心がある。家庭を壊しても友情を壊しても守りたい愛情を大胆に描いている。

「サンドリヨン」。大柄な少女が変わりたいと思った時に何をするか。私も体型は太いので主人公の気持ちが良くわかる。太っていると好きだと言ってくれる異性は格段に減るし、それをダシにいたずらをしようとする人間も多い。でも、そんな救いがないように見える日々にだって、必ず誰かはあなたのことを見ていてくれるんだよ、という優しい話だった。

「可愛いベイベ」。サンドリヨンとは逆に、小柄な女性が主人公。バイの男性を好きになり幸せな恋人生活を送るが、「ホモの人ってお尻でするんでしょ? 先輩って受け? 攻め?」という無邪気かつ残酷な好奇心で彼氏に問いかけたところ、それに怒った彼氏に理不尽に自分が怒り、男性関係が乱れてそれを腐れ縁の男の子に救われる話。好奇心は猫をも殺すという諺があるが、まさにそんな感じである。

「AIR」。クールな女性に恋した高校生男子が、彼女が貢ぎ魔だということがわかり若干重荷に感じていたら、男のアイドル同級生のロリ顏巨乳に告白されて心変わりする話。こう書いてしまうと身も蓋もないが、ラストが爽快感に溢れていてまさに「まいったか!」という感じである。

「デッサン」。小野塚がたまに描く、女同士の恋愛の話だ。小野塚はレズというよりエスの関係を描くのが非常にうまい。恋であり友情であるこの関係は、おそらく女同士にしか存在しない感情だからだ。男になりたい、そうすれば女を好きになるのは当たり前なはず、そんな悩みを抱えながら一晩だけ一線を超えてしまう。そしてそのあと、女である自分を受け入れる。それは辛いが甘美な感情だ。

「こえ」。言葉にしないと伝わらないことはたくさんある。恋人同士になればなにもいらない、なんて幻想よりも私は言葉で伝わる即物さを選ぶ。好き、愛してる、気持ち良い。それらが伝わらないと関係は続かないし、伝わることで何かが変わるのだ。

初期の作品集らしく、絵も不安定だし話もワンアイディアのものが多い。が、それを読ませてしまうなにかが小野塚にはあり、そのアンバランスさが私を惹きつけるのである。
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