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坂東が幼い頃から小説家になった後までの様々な日常や、記憶、海外での思い出などを綴ったエッセイ。
小説家になってから身の回りにおかしなことが起きるようになった、それが周りへも広がっている。だからこれを読んでいるあなたの周りにも……という一節からこの本は始まる。
だが内容はサクサクと読めてなんとなくノスタルジックになる話ばかりで、今の所おかしなことも起こっていない。
読みやすいのはいいことだ。
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文学作品にエロスを求める人は多いが、私はあまりこだわらない方だ。
この作品集はまさに「エロス」の結集である。
13本の異なるシチュエーションでのセックスやヰタ・セクスアリスを描いている。
それは強姦だったり痴漢だったり合意の上でのものだったり様々だが、女性目線が多いのが特徴である。
女性よ、性に自由であれ、ということなのだろうか。
男性目線のものでも、最終的に女性の方が一枚上手なのだ。
また、いくつかの話をまたいで「チカ」というイタリアに住んでいる女性が登場する。
どうもこの女性、坂東の欲望を具現化した女性のようだ。
坂東自身もイタリアに住んでいたことがあるから、こういった女性を思いついたのだろう。




最近体調不良だったもので、「具合の悪い時にぐるぐるする文章を読むとどうなるのか」と思い手に取った。
「一本樒」「恵比須」「葛橋」の三本を収録。

「一本樒」
展開からラストまで、ばっちり”坂東眞砂子です!”という感じ。
地味な女が、妹の恋人の影に怯えながら夫と転がり込んできた妹との三人の生活を守ろうとする話。ミスリードを誘う場面が二箇所ほどあるのだが、結末は一番初めに想像した通りだった。これを読んでおけば、坂東眞砂子の書くホラーの展開がわかりやすいだろう。

「恵比須」
ひとつめと違い若干コケティッシュな内容となっている。もちろんラストはホラー小説だからぞくっとさせる描写をしているのだが、その結末に至るまでの文章が今までの坂東作品からはちょっと想像がつかない。
大家族の母が、海でひょんな拾い物をする。それが価値のあるものだとわかって周りの反応は変わる。そして自分はいつ変わるのか。
新しい世界、というのがどの年齢でもあるのだなあと思う。

「葛橋」
表題作。坂東作品には珍しく男性主人公だ。個人的にホラーとエロは切っても切り離せない関係だと思っているのだが、この作品はそれが前面に出ている。人を想う心は、ちょっと離れた場所からみると、恐ろしい。
証券会社に勤めるサラリーマンが、妻を亡くして故郷に一週間ほど里帰りする話。そう書けばなんちゃないものだけれど、この「故郷」が坂東作品ではしっかり作り込まれているから良い。

全体的に満足。わかりやすいホラーを望むならどうぞ。



久しぶりに、ラストが気持ち悪い小説を読んだ。
読みかけのまま放置してずるずる三ヶ月もおいてしまったのは、この小説の特性とも言えるべき「冗長さ、繰り返し」にある。でもまあホラーというのは繰り返しがあるから怖さがにじみ出るものであって、特に心霊系がそうであろう。振り返った時に一度目はそこになにもいなくても二度目はなにかが・・・のように。
それに失敗すると冗長さがでてくる。なので、これは初め失敗小説なのかと思ったぐらいだ。
坂東眞砂子にしては珍しく長編なのだが、繰り返しや回想のシーンが異常に多い。そしてそれが、主人公が思い出している時間が、どんどん長くなっていくのである。それはもうすこしずれたらギャグの域である。
それが、ホラーのまま続くからこの小説はすごいんですね。ラストには感嘆した。
問題のラスト・シーン。一番の山場が、実際には「なくてもいい部分」というのにも驚いた。心理ホラーで書いていくのならば必要なく、単純に盛り上げる為だけにいれたとしか思えないのである。そのぶんメリハリはきいていて、そこになると「おお!」とぺらぺら読んでしまうのだが、よく考えると「あそこいらないんじゃね?」となり、その分本当のラストが気持ち悪く感じるのだ。
久しぶりに坂東眞砂子は上手いのだな、と感じた小説だった。これが中古本の中に投げ売られていたら値段分のお得さは絶対にあるので、ブックオフにでもいって買ってみたらいかがでしょうか。



富山の薬売りとマラヤの女との愛憎渦巻く情念と、その孫と現代結婚した女との軽い、愛など分からない二人。その人生が曼荼羅道で絡み合い、ぶつかり、交錯する。
作者の「読ませてやる!」という情熱が胸に迫る作品。
とにかく人物の背景を描く事描く事。ありありと目に見えるように二つの夫婦をガリガリと描く。
が、曼荼羅道という不思議な道で、現実はパラレルワールドと交錯し、現在は過去と交わる。
そう、過去があるのは、現在が積み重なった結果なのだ。
だから呪いはいまに生き、孫と子供がまぐわう。
それが、未来に進む為に積み重ねなければならない現在なのだ。



短編集。

「屍の聲」
表題作。惚けたおばあちゃんと、おばあちゃんっ子だった主人公の葛藤を描いてます。
「猿祈願」
これが一番好きだな。綺麗にまとまってる。不倫の果てに離婚においやった彼との間に出来た子供。
「残り火」
旦那にへこへこしてきた生活が嫌で覚悟を決めたお母さんの話。
「盛夏の毒」
こういう後味悪いのは好きじゃないです。
「雪蒲団」
近親モノもちょっと…
「正月女」
まあ得意分野ですよね。




これは板東には珍しく、万人受けする作品だ。
児童文学の様でもあり、反面社会風刺の色合いも濃い。人間がいかに勝手か思わされる。




これが私の初板東作品。今思えば良い出会い方をしたんだな、と。
読んだことなくて最近の板東作品をバカにしてる人は是非、一読を。
活字って魔物だ。
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