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ジョージ朝倉初期の短編集。

「バラが咲いた」
とんでもなくロマンチックな内容なんだが、残念ながら「ものすごく面白い!」って訳ではない。これが少女漫画ではなく青年漫画で、主人公が作者本人も言っているように社会人だったらもっと違った面白さがあったかもしれない。
感情というものを知らずに、右脳に謎の塊があるまま生きている主人公と、その主人公が生涯で一度だけ「美しい」と思った少女の恋愛を描いている。感受性というもののない主人公に対し、少女はロマンと妄想でできているかのような正反対の人間。ここに「少女ロマンス」の原型を見ることができる。

「星空で目がくらむ」
幼馴染の絆を描く話。若干少女漫画らしいかな? という感じ。主人公が幼馴染のケンちゃんを、「自分を楽しませてくれる人」だという認識から独占欲をあらわし、優越感を感じるために「レンアイゴッコ」を先生にしかける。ストーリーとしては平凡なのだけれど、王道だからこそ満足する部分もある。

「星の名前」
収録作品の中では出色の出来。「恋文日和」に出てくるチェロ弾きの少女と郵便屋の恋を思い出させる。
隣人の少女に恋をした少年が、少女に手紙を出す。少女は翌晩訪ねてきて、「自分を連れて逃げて欲しい」と言う。少女は年上の男と不倫をしていたのだった。逃げる電車の中で、男を待ちながらつけていたという星の名前を少年に教える。「これからは二人で星に名前をつけよう」と少年と約束をし、二人はペンションの住み込みバイトを始める。ようやく心が重なって本当のカップルになれると思ったところに不倫相手の男が訪ねてきてーー。

「PUNKY CAKE JUNKIE」
ジョージ朝倉デビュー作。私はこの話はすごく好きなのだが、評価が分かれる作品でもある。
過食症の少女がケーキ屋の息子と出会い心を癒す話なのだが、台詞回しがとにかくセンスに溢れている。
「……スゴイのよ そのキガ感っていったら たぶん あの『食べもの胃に入れたい』というエネルギーで星一つぶっとぶわよ」
こんな的確にあの感じを表した言葉ってあるだろうか。

「青色的少年」
残念ながらめちゃくちゃ面白いという話ではなかった。空白を抱えて生きている少女に風変わりな少年が居場所を与えてくれる話、と読んだ。
しかし上手いのは恋に発展するちょっと前の雰囲気を描くことだ。他の短編でも描かれているが、恋愛未満の発展途上の関係が素晴らしい。でもこういうのを好んで描いていたからアンケート取れなかったんだろうなあ…とも思う。
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思い込みのすこし激しい少女、内田蘭は、昔からずっと自分だけの「王子様」を待ち続けていた。
そこに小学校の時に蘭をいじめて髪の毛を切った少年、藤原右京が転校してきて、蘭は「王子様」だと思うが、実は右京は小学生の時と性格が変わっておらず、また髪の毛を切り周りに気付かれないよう蘭を陥れーー。

このさわりの部分だけだとひどいストーリーに見えるが、実際はすれ違いラブロマンス。
右京も小学生の時から蘭の王子になりたいと思い続け、自分の好きな子をいじめてしまう癖をなんとかしようと王子になるためにアメリカに留学していた。
蘭も人生で二回とも王子だと思ったのは右京だけで、いじめられながらもずっと好きな気持ちをアピールし続ける。

二巻で登場する右京の家庭教師だったジャクリーヌや蘭のいとこの宗ちゃんは完全に当て馬なのだけれどいいキャラで、全員に幸せになってほしいと願ってしまう話だった。
漫画家生活7年目にしての初連載だったが、これを当初読んだ時の衝撃は忘れない。
こんな面白いものを描ける人がなぜ連載を持っていなかったのかと不思議でたまらなかった。
これは「溺れるナイフ」と違い短期連載だったため、ジョージ朝倉の得意な時間の流れの速い話となっている。それがすいすい読めて丁度いい。



大好きな作品です。値段張るだけあるわ。
ネームを見たのが大塚英志ってのも凄ければ、この分厚い本が書き下ろしってのも凄いです。
私もアキラとショーコのように、依存しあえる友人が欲しかった。
この作品はうっかり泣いちゃうので、ティッシュ用意してよろしくお願いします。




読む度に胸がチクチクする、短編集。これが長編だったら泣き出してしまいそうだ。
私は表題作が一番好きだな。でもかなり痛い。
因みに初めて買ったジョージ浅倉作品でもあります。




今時の中学生だな、と思ったけどちゃんとジョージ朝倉テイストになってて吃驚。
この青臭さ、今はもう手に入らない。
こういう恋愛ってどーやってやるんだろうね?

思春期まっただ中に読んだりしたら有害図書認定だよ。



青臭い春。

例えば水色の空の下、この本を読んだら。
きっと叫び出したくなる。

ああ、焦れったい。
この焦燥感をどうしてくれよう。

あの人に伝えるのに、手紙を書こう。
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