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今回のVシリーズは船上ミステリだ。

話は数ヶ月前に遡る。大笛梨枝は建築関係の講座に出席していた。そこで知り合った羽村という男性と恋に落ちる。梨枝は羽村が話してくれた建築物に興味が出て足を向けるが、そこは紅子が昔住んでいた六画邸。紅子と出会い友人になる。
その頃紫子は保呂草の仕事の手伝いで、鈴鹿という財界人の邸宅を張り込みしていた。さらに保呂草から”仕事として”豪華客船ヒミコ号に乗船する誘いを受ける。

前もって断っている通り、三分の一すぎてもまだ乗船すらしていない。しかしなぜだか冗長だとは思わなかった。それはおそらく前作と対になっているストーリー展開だからだろう。関根朔太という画家、行方不明のエンジェル・マヌーヴァ、そして唯一の自画像。入り組んだ人間関係が楽しめる一冊だ。
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今年最後の読書は森博嗣でシメだ。
瀬在丸紅子が鮮やかな切れ味の推理を披露するVシリーズの5作目。今回は飛行機レースが物語の舞台だ。

小鳥遊練無の先輩、関根杏奈がパイロットを務める飛行機チームのエアロバティック・ショーに、保呂草、紫子、紅子は招待される。それに根来とへっ君も参加するが、当日はなぜかくるはずの保呂草の姿が見えない。
実は保呂草は、その時別件の仕事の依頼人のために「エンジェル・マヌーヴァ」と呼ばれる宝飾短剣を探していた。依頼者は各務亜樹良というジャーナリスト。その彼女を乗せた飛行機がショーの最中に墜落してしまう。彼女はパラシュートで脱出するものの、後ろに乗っていたパイロットは胸を撃ち抜かれて死亡していた。
「誰かにはめられた」という各務の逃走の手助けをしながら、自身も危ない橋を渡る保呂草。その頃那古野県警では衝撃の事実が解剖から浮かび上がった。パイロットは背中から撃たれていた。コクピットは二席あり、後方が操縦桿が付いている。各務は前方の席に座っていた。これはどういうことなのか?

今年の終わりに最高に切れ味の鋭いそれこそナイフエッジのような小説を読めてよかった。これでいくらかすっとして寝られる。



今回はお馴染みのメンバーが東京へ。紫子と練無と紅子は「女子大生」というくくりでクイズ大会へ出場、保呂草はそのテレビ局の知人に会いに。海外旅行の景品につられて紫子が勝手に応募してしまったクイズだが、練無は男だし紅子は年齢的にそれ以上だしでテレビ局到着前から揉める。
到着して保呂草は知人に会うが(もちろん口実で本当は同行したかっただけ)、その知人に「探偵を紹介してほしい」と頼まれる。上司であり嫁の親戚である柳川という男が、腕利きの探偵を探しているという。そこで、以前海外に行っていた際に縁づいた稲沢真澄という探偵を紹介する。
クイズ番組のプロデューサーである柳川は、拳銃で撃たれて死亡してしまう。それを発見した保呂草と稲沢は、事件に巻き込まれる。そして練無は、アイドル・タレントの立花亜裕美と失踪してしまうーー。

いつもと舞台が違うせいなのか、あーこの四人ってやっぱり目立つんだな、と思ってしまった。殺人事件に関しては過不足なく物語に作用していて、面白く読めた。
マスコミが意思を操ろうとしているなんて出だしはいかにも今の人に好まれそうだなあ。



Vシリーズの3冊目。このシリーズの面白いところは主役と主人公が違う人物だということだろう。主役はもちろん瀬在丸紅子。主人公は保呂草潤平ということになる。
三人称で書かれていながら主人公を保呂草にしているところは、1冊目の『黒猫の三角』でのトリックからの流れなのかもしれないが、”Vシリーズ”というからには紅子が主役で間違い無いだろう。

以前はこのような記事をメモとして書いた。http://kagenokemono.blog51.fc2.com/blog-entry-410.html

今回はきちんと内容も紹介したいと思う。

保呂草は依頼を受けて篠塚という金持ちの屋敷にレコードを運び込んでいた。そこへ新しくアパートの住人になった森川素直の姉、森川美沙がやってくる。保呂草を美沙の会社の社員ということにして、篠塚から相談を受けるが、内容は匿名で送られてきた美術品が本物だったら買い取りたい、が、送りつけてきた人物に心当たりがないから美沙の会社が間に入ってくれないか、という内容だった。
そして篠塚の娘莉英は、婚約パーティーをその晩行うことになっていた。保呂草たちはそれにお呼ばれし、その出席者に紅子がいることを確認する。
しばし楽しい時間を過ごすが、隣のオーティオ・ルームで惨殺死体が発見される。それはオオカミ男に殺されたかの様に衣服はズタボロ、噛み跡があり、床は引きずり回したかの様な血の跡があった。
全員が出入りをしていないと証言し、鍵もかかっていたその部屋に入り込んだのは誰なのか。

森ミステリのいいところは、どの現象もきちんと理由があって説明できるところだ。思考が絡まってきた時にスパッと理屈が提示されるので、読んでいて気持ちがいい。



このシリーズはいつも最後にタイトルの意味がきちんと本文に出てくるところが良い。
しかしトリックは拍子抜けしてしまうし、キャラクタを書く事に専念しすぎな気がする。



好きな人には溜まらなく面白いであろうVシリーズ第二弾。
前作と同様話よりも人物を読ませるミステリですね。
モナリザとはなんのモチーフなのか、神様と悪魔は誰が作り出したものなのか。
そのあたりは面白かったかなあ。



Vシリーズ一冊目。

あーやられました。これは本当難しい。多分納得がいく様に書くのも面倒くさいんじゃないかな。
(おそらくそれが楽しいんだけれど)
トリックはすごい単純明快なのに登場人物が嘘吐きなせいで境界条件が曖昧になる。
一生理解できないパズルみたいなものだ。



半分位は理解したつもりだったんだけれど(Sの部分ね)こんなに分厚いのに説明不足だと感じるのはオカシイだろうか。
本当は四季博士に会えただけで充分だと考えないといけないのに。
サブタイトルも、これが閉じた円環である事を示していて素敵です。

彼女は一つで完成している。
統合されていなくても、4つが一つとして完結しているのだ。



多分私だけじゃないんだけど、純粋に「ミステリ」を読もうとして裏切られた人は多いと思う。
S&Mシリーズの中で一番腹が立ちましたよ。
面白くてぐいぐい一気に読めるんだけれど、それって結局このシリーズの謎になっていた部分の人間関係が書かれているからなんだよね。
トリックは本当不条理だなあと思う。

でも今回、もし彼が犯人だったら、と考えられるだけで拾い物かな。



短編集の中では一番読みやすいかもしれない。

「小鳥の恩返し」
短く簡素にまとまっていて素敵です。余計なノスタルジィが無いところも。

「片方のピアス」
このファジィさが良い。

「素敵な日記」
いいなあ、この連綿とした循環。永久運動なんて無いのだ。

「僕に似た人」
これ凄く読後感が不思議。

「石塔の屋根飾り」
最高のラストだ。諏訪野、うちに一人欲しい。

「マン島の蒸気鉄道」
汽車についてはさっぱり解らないけれどトリックは簡単だなあ。

「有限要素魔法」
不条理。ネタがすぐ解っちゃったよ。

「河童」
これは一番好きかなあ。ものっすごく境界条件が曖昧で、それって人の気持ちそのものなんだよね。

「気さくなお人形、19歳」
しんみりしちゃった。

「僕は秋子に借りがある」
すごく透明度の高い話。
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