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乱歩の変装、探偵、猟奇、パノラマ趣味が詰まった一冊だ。

主人公は類稀なる変装と奇術の腕を持った男。いくつも名前があり、そのうちのひとつでは小説も書いている。この男は悪人の秘密を知り、それをネタにゆする、ということを本業としていた。
小説を書いている名前の方に、何度も同じ男から手紙がくる。それにはお互いの利益になるから会おう、と書かれている。興味を持った男は、待ち合わせの銀座のバーに出かけていく。
手紙を出した男は殺人請負の会社をやっているなどという。そして、男に顧問になってほしい、という。
そこで一仕事して、気分がもやもやとしていた男は、遊びに出かけた先で、ポン引きの爺さんに声をかけられる。大金を払えばこの世のものとは思えない素晴らしいものが見れるという。そこは地下に作られたパノラマの世界だった。

探偵明智小五郎が出てくる作品だが、明智は本当の最後までなかなか登場しない。影男こと主人公の活躍が延々と続く。それが「悪人である」という側面から書かれているので、飽かずに読むことができる。
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「幽鬼の塔」
しろうと探偵河津三郎は、ちょっと変わった人物であった。
高いビルにのぼり双眼鏡で事件を発見しては匿名で通報したり、変装したり。事件を発掘することに喜びを感じ、好奇心さえ満たせれば自分の手柄などはどうでもいい人間であった。
そんな河津が、どうも変わった人物が黒い鞄を大事そうに抱えてキョロキョロしているのを発見する。事件の匂いを感じた彼はその鞄の持ち主を追跡。うまく鞄をすり替えて中身を見ると、それは汚れた茶色のブラウズ、木の滑車、麻縄という産品が新聞紙に包まれて入っているばかりであった。
鞄の持ち主は、すり替えられたことを知って上野公園の五重塔で風鈴のように謎の首吊り自殺をする。

ラストまで謎がなぞを呼ぶ形式で、わくわくしながら読んだ。オチが「ああ、河津はこういう人間なのだな」というどこか一本筋の通ったものを感じられて良い。

「恐怖王」
千万長者の布引氏の娘が、惜しくも病気で亡くなった。が、その遺体をうまく盗み出して、さも生きているかのように偽造し布引氏から金を受け取り、娘の恋人を殺した人物がいる。
娘の死体の背中には「恐怖王」と彫られていた。
その日から世の中は恐怖王に怯える日々となる。探偵小説家の大江蘭堂は、美しい恋人を持っていたが、彼女から「なぞの五つのこめつぶ」を渡される。彼女自身も駅で見知らぬ男に「声がよくなる薬」として渡されたという。その表面は薄黒く、虫眼鏡でみるとびっしりと「恐怖王」と書いてあったのであった。大江が巻き込まれたこの騒動の顛末は?

うーん、オチが読める上にラストのぼやかし方が「あっ!乱歩逃げたなこれ!」という感じでバカミス。



なんだか何度も既視感に煽られた。もしかしたら一度途中まで読んでいたのかもしれない…。

大きな影に掴まれて往来で気を失った美しき婦人芳江。その現場に直接居合わせた探偵小説家大江白虹は、彼女とその夫笹本が悩まされているという影について話を聞く。そんな折、その影は大胆不敵にも彼らの前に現れた。
追いかけるが捕まえることができず、相談に乗る日々が続く。
そして笹本が殺害される。芳江も誘拐される。
しろうと探偵大江白虹は芳江を救い出すが、彼女は何度も「全身緑色の衣服をつけた赤茶けたもじゃもじゃ頭で右頬に傷跡のある男」に身の危険に晒される。
そこで登場したのが名探偵乗杉龍平であった。
彼はこの難事件を解決できるのか。

乱歩の、というか探偵小説を読み慣れていたらラストは想像がつくように書かれていて、それを追うだけなのでサクサク読めた。ドラマにすると映えるんだろうなあ、という内容だった。



乱歩の長編。一度墓に入った男性がその恐怖のため総白髪になって復讐のため蘇る、という定型を作った話の一つ。

大牟田は絵描きの親友川村と、美しい妻瑠璃子を持ち大変に幸せに生活していた。
が、三人で旅行に出かけた際、そこで命を落としてしまう。
再び目が覚めたのは墓場の中であった。
なんとかして墓から抜け出た大牟田は、川村と瑠璃子の企みで自分が葬られたことを知る。
白髪になった一匹の復讐鬼が織りなす執念の話。

うーん、個人的には「復讐する」という目的がわかりきっているためにあまり楽しく読めなかった。



乱歩の長編小説としてはかなり面白い方だと思う。
幽霊の噂のある時計塔がある屋敷を手にいれた叔父に変わって、検分にきた主人公。
その時計塔の部屋で、世にも美しい女性と出会う。
その女性は止まってしまった時計の動かし方を知っているという。
主人公の許嫁である栄子は相手が美人なのが面白くなく、その謎の美人野末秋子の正体を暴こうと躍起になる。
引っ越してきた主人公一家は秋子を養女として迎え入れ、盛大にパーティをするが、温室で黒川という男と秋子がただならぬ雰囲気で話しているのを聞いてしまう。
彼女の使命とはなんなのか、秘密とはなんなのか。

その謎が殺人事件などと相まって、非常に読みやすくわくわくする展開になっている。
相変わらず乱歩は畸形が好きだなあと思うし、迷路や機械の仕掛けなども登場してこれを子供の時分に読んだらベストフェイバリットにあげてしまうだろうな、というぐらいの大団円だった。



駄作にも程がある。
でも乱歩の味はきちんと出ている。
これだけ読んだら二度と乱歩を読もうと思わないんだろうな。

トリックも現代ではほぼ禁じ手のものだし、途中の品川・青木両名が怪奇に出会うシーンも冗長。
でも、単語の使い方はやはり素晴らしい。



私この頃の明智嫌いなんだよね。


それだけじゃ終われませんね。
どっちかっていうとアレです。「乱歩R」の方が解りやすいかもしれません。
トリックも魔性も上手く書かれて居るんだけれどどうも好きになれないなあ。



「ペテン師と空気男」
やーラストになったら引いた引いた。
ジョークって怖いね。
だから惹かれるのかも。

「堀越捜査一課長殿」
このトリックはいい加減飽きた…。

「防空壕」
性悪説。なんじゃこりゃ、です。乱歩三本の指に入るバカ小説。

「妻に失恋した男」
これもなんだかなあ。すぐ解っちゃいました。

「指」
これが一番短いのかな。良くできたホラーです。



これずっと欲しかったんだよね。漸く買えた。

「心理試験」
すごくさらっと読めるんだけれど奥深い。ミステリの王道。明智ものです。

「二銭銅貨」
もうバカだなあ…ベーコンの暗号法まで引っ張り出してきたのに…。名作か迷作かで皆評価が別れると思いますが私は迷作だと思います。

「二廃人」
まとまってて読みやすいんだけれど…人の業を書くのが好きだよね。

「一枚の切符」
寺山修司がどんな鳥も想像力より高くは飛べないと言ったけれど…これはラストが本当怖い。

「百面相役者」
拍子抜けさせてくれるよもう。

「石榴」
ありえたら怖い事。

「芋虫」
これが検閲に削除されたのも解るわ。肉ゴマって…。好きだけれどさ、映像化するもんじゃないよね…。



バカ小説…。
この一言につきます。

三笠竜介モノですかね?
筋が通ってないなら通してしまえ!みたいな感じがするよ。
終わり方もあっけない。謎解きもあっけない。
いっそのこと犯人の「本一冊分になってしまう」ドロドロとした半生を丸々書いて欲しかったなあ。
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