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タイトルだけは知っていて、その後映画化して、なんとなく今まで避けていた作品。
淡々と物語は紡がれていくが、その語り口がなんとも軽くて読みやすい。
年上の彼女(既婚)の「ユリちゃん」と付き合い始める「オレ」の、破局までを描いた作品。と言ってしまえば簡単だが、この作品妙に「納得」を優先させるものなのだ。
何かに納得しなければ人は先へ進めない。それはとても大事な事なのだろう。
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 いやあ、面白かった。ここ数日間貪る様に読みまくった。なるほど中国小説とはこんなにも面白いものであったか。しかもそれが「伝奇」ともなればーー。いわずもがなである。
 空海、妖怪、呪術、密教、楊貴妃、どれかひとつでも心にひっかかるワードがあるならば必ず読むべきです。思ったより時間がかかってしまったけれど、こんなに面白い本はない。作者本人があとがきで「ど傑作」と評しているのもうなずける話である。
 とにかく呪術合戦や密教を体感する場面などは心が震えた。こんなにわくわくしていいものか、というぐらいだ。
 私が読んだのはハードカバーなんですが、もうないんですねこれ。文庫も怪しい。でも手に入るなら絶対に手に入れておくべき書物だと思います。18年かかって書き上げたというのだから、面白くない訳がないですね。







 とても鮮烈な文章だった。まだ余韻が消えない。それはこの本があまりに素晴らしい作品だからだと、実感せざるをえない。
「面白いよ」と騒がれているときは、どうも手に取る気になれなかった。警察の取り調べというテーマも固いと感じたし、なにより説明で皆がみんな「半落ちっていうのは、自白が完全にできていなくて半分しか落ちてないってこと!」とテーマを語ってしまっていたからだ。テーマが解っている作品をわざわざ読もうなんてそんな面倒なことはしたくなかった。
 それがどうだ。図書館で一冊足りなくて、なんとなく「話題だったし」と手に取ったこの本は、ページをめくらせる力に満ち満ちていた。なにより事件を追いかける視点が次々と変わるのがいい。飽きさせない。まるでこの事件は万華鏡のようではないか。

 現職の警察官が、アルツハイマー病の妻を哀れに思い扼殺した。れっきとした理由がある殺人だ。しかし自首するまでの空白の二日間についてはなにも語らない。事件の概要は丁寧に語るのにだ。その二日間に一体なにがあったのかーー。

 事件は一応の解決をみているのだから「完全に落ちているじゃないか」と思う人もいるかもしれない。空白の二日間になにがあったっていいじゃないかと思う人間も少なからずいるだろう。しかし、登場人物たちにとってはこの事件は「半落ち」であり、解決されないまま時のすぎていく物語なのだ。そしてそこには必ずの矛盾が生じる。その矛盾を、いや人間の真理を知りたくて人は読み進める。思いもよらない「完落ち」に向かって。




 吉村萬壱のすごいところは、普遍的な語彙だけで気持ち悪さ、不快感を表現するところだ。
 戦争小説と銘打たれてはいるが、そうではないと思う。しかし、他に表現する言葉が見つからないのも事実だ。
ラストは吉村らしい終わり方で、長編でも作者の持ち味が失われていないのは素晴らしい。しかし、少しは救いが欲しかった。個人的な希望にすぎないが。



私は、これは大人が読む本だと思っていたから高校の時読んだことは記憶に残っていない。
多分読んでも解らなかったんだと思う。
でも、今こうして読み返して、この人って凄いんだなと思った。
タイトルの着け方、書き出し、終わらせ方全てが心地よくて、テンポよく語られる主人公のちょっと斜に構えた感じとか、ものの考え方だとかが解りやすくてぐいぐい読める。



「ハードボイルド」と「ハードラック」二つの物語が入っている。
高校の時に初めて読んで、これは私と彼女の話なのだと思った。
そして、その時は千鶴が私で彼女が主人公だと思っていたけれど、今読むと彼女が千鶴なのではないかと思う。
私たちは離れてしまった。でも、どこかが繋がっている限り二人とも幸せになれると思う。



大全って言うほどでもないと思うんだ。
でも糞尿が如何に人間に関わって来たかって言う観点からは面白いと思います。



とても面白かった。
”タトゥー”ではなく、イレズミ。
かなり興味をそそられる題材だった。
とくに台湾の女性がするイレズミと、江戸時代の刑として存在した入れ墨の項が、新発見ばかりで楽しく読めた。

広島の入れ墨は茶目っ気があるなあと思ってしまった。



由利先生ものが表題作の他に四編も入っているお得な短編集。
タイトルだけは知っていたけれど、なかなか読み進められなかった。

真珠郎=稀代の美少年というイメージに捕らわれたせいか、あまり楽しく読めなかったかな。

しかし横溝の文章は美しい。

「それはちょうど、人間の首とそっくり同じ恰好をしていた。横向きになった鼻の高い、額のひろい、そういう長く伸ばした髪の毛を首のあたりで縮らせた、そういう恰好の雲が、黒い雑木林のうえに、西日をうけて真っ紅に、それこそ血が垂れそうなほど真っ紅に燃えているのである。」

これは主人公の見た、これからの事件を予期させるような奇妙な雲についての描写。
これで一気に引き込まれた。



これを読み終わったらあとは小栗の黒死館だけだな。三大奇書。

夢野は本当にオノマトペと仮名遣いの天才だと思う。普通ならばこう読み辛い本は書かないだろうが、「阿呆陀羅経」のリズム感一つとっても、軽く読めるのに暗澹たる気持ちになるのはやはりこの文体のせいではないだろうか。

推理小説の形をした幻想小説だなあと。
誰もこの小説に対して「これはこうだ」って断言できない。そういうモノを書いてしまうのが凄いなあ。
まあ、話は「何転するんだよ!」って感じですが下巻は読みやすかったです。
…発狂は元々発狂してるヒトには意味がないのでは。
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