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晴香は教育実習で小学校を訪れていた。その受け持ちクラスの中に、周囲から孤立している男の子を気にかける。大森真人というその男の子は、「自分は呪われている」と周りの人間を突っぱねる。
時を同じくして、後藤&石井の刑事コンビは仕事に忙殺されていた。井手川の代わりにやってきた宮川が、捜査中の事件の犯人のプロファイリングを精神科医に聞きに行ってくれ、と依頼する。癌の末期患者である父親をハンマーで撲殺した戸部賢吾という男性がカウンセリング中逃亡した事件だった。二人は八雲に操作協力を依頼する。
「自分は呪われている」という少年、逃げた殺人犯。接点のなさそうなふたつの事件が「焼死体」の発見によりひとつに結ばれる。

1冊目と比べると、八雲はなんと優しい青年になったものか。もともと優しかったのがあの生意気でひねくれた言動に隠されてしまって、出てこなかっただけなんだろうなあ。
私はこの作品をライトノベルと近い位置においているのだけれど、結構事件の骨格がしっかりしていて読み応えがある。今回はまさにミステリ!という感じだった。
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今回の事件は、自殺を繰り返す幽霊から始まる。それを目撃したという女生徒が八雲の元を訪れる。解決するために現場のマンションにやってきた八雲が出会ったのは、神山という霊媒師だった。
同じ頃、新聞記者の真琴は大学時代の友人とバーで会っていた。が、その場にいた全員が血まみれの女を目撃する。その後友人はマンションの密室で忽然と消え失せ、事件を後藤と石井の元に持ち込む。
このふたつの事件が絡み合い、過去の暴行事件をあぶり出す。そしてその暴行事件をきっかけに、周囲の人間たちは生き方まで変えなければいけないのだった。

なんとなく想像はついた決着だけれど、警察内部のゴタゴタまでは考えつかなかった。暴行事件と密室消失事件はなんとなく推測できたんだけれど。



彼の名前は斉藤八雲。左目が生まれつき赤い。そしてその赤い目は、死者の魂を見ることができるのだというーー。
八雲が鋭い洞察力と観察眼、そして被害者のちからを借りて事件を解決するシリーズ第二弾!

今回の事件は後藤刑事から持ち込まれた。署長の娘が霊に取り憑かれたから何とかして欲しい、と。
新しく刑事になった石井は、数々の事件を解決している後藤と同じ部署になれたことが嬉しい。後藤が心霊がらみの未解決事件を解決していることは知っており、オカルトが好きな自分としては後藤の部下になれるのがとても嬉しいのだ。
なぜ民間人に依頼などを、と訝しんでいるが誰も理由は教えてくれない。
その頃本部では重大な事件を追っていた。少女が三人失踪。そのうち二人は死体で発見されている。一人目は絞殺、二人目は溺死でゴミ捨て場に捨てられていた。
この二つの事件が、徐々に絡み合い「ひとつの事件」として浮かび上がってくる。

そして解決したように見えたものの、実は同時進行していた事件は「みっつ」あったーー。

最高に面白かった! 三人目の遺体が発見されたシーンは「嘘でしょ!??」とがばりとページを覗き込んでしまった。そして事件にちらつく謎の黒ずくめの男ときたら、そりゃ色々連想するでしょう。晴香も自分の気持ちに整理がついたし、八雲も絶対春香のことが好きだよな、と認識できてきているのにここで伏兵まで登場とは、シリーズ面白くなっていきそうですな!!



久々に貴志祐介を読んだが、やはり面白かった。
ハチのアレルギーを持っている小説家、安斎が、自分が生活している山荘に閉じ込められスズメバチに襲われながらも、ハチたちと戦い、自分を罠にはめた妻たちに復讐を誓う話。
ラストは貴志らしく、どんでん返しが待っていて「やったね!」と思ってしまった。
ただハチとの攻防をメインに書いているのだが、それが本当にリアルで面白いのだ。スズメバチが2種類登場するのもうまい。戦闘に深みが出てくる。
さくさくと読めて、続きが本当に気になる作品だった。




シリーズ一作目。左目が赤く、その目で幽霊が見えるという風変わりな大学生、八雲と、そこに依頼を持って来た晴香のコンビが難事件を解決していく作品。脇役の後藤や畠の味がよく、さらさらと読める。八雲が晴香にとる態度が徐々に変わっていくのがニヤケポイントのひとつ。ひねくれもので皮肉屋で愛情というものにとんと縁がない八雲が、晴香にだけは心を開いていくのだ。
収録作品は四つ。肝試しから殺人事件へと発展する「開かずの間」、合コンで知り合った男性と事故多発のトンネルが織りなす謎の「トンネルの闇」、そして晴香のもとへやってきた、突然姿を消したはずの友人が導く「死者からの伝言」。更におまけとして二人の関係がよくわかる「忘れ物」。
アニメ化もされた作品なので、そこから入っても楽しめるだろう。




 自分には衝動買いの気はほとんどないけれども、人のを見ているととても楽しい。ましてやそれが失敗しているともっと楽しい。このエッセイには様々な買い物が登場するが、大体が失敗しているところがとってもいい。



 とある娼婦の殺人事件と、「美貌の妹」を持つ姉の視点を絡ませた力作。
読んでみて思ったのは、「欲望は限りなくグロテスクなものである」ということだ。憧れから嫉妬、恐怖から羨望、感情はいかにしても流転する。その中で自らを俯瞰することにより生き抜こうとする女のどろどろとした情念の物語。
何がすごいって物語に緩急をつけて、つまらないところは徹底してつまらなく、面白いところは徹底して面白く書いているのがすごい。読み飽きてしまうかと思ったがそういうこともなく、最後の方ではページをめくる手が休まらなかったほどだ。

好奇心という名の欲望が、一番グロテスクなのかもしれない。




 江戸末期から明治にかけての新田のお殿様にまつわる数々のお話を集めたもの。史実は面白い。それが小説風の書き方をされているものだから更に面白い。「猫絵」の写真にも愛嬌があって良かった。



小林泰三という人は一体何者なんだろう。

この中には「人獣細工」「吸血狩り」「本」の三編がおさめられている。
一際秀一だったのは標題作。やはり小林は短編でその力量をあますことなくみせつけてくれる。
手術の記録を探るのにのめり込む姿や、臓器、手足までもぶたのものだと知った主人公の葛藤。そして胸騒ぎが悪夢に変わる。
その辺りの持って行き方が素晴らしい。




自分の理想の死が解った。
私は別にムルソーのように死にたいのではなく、ムルソーのママンのように死にたいのだ。
この物語の中で、彼女の死は至極当たり前の事として書かれている。誰もその事に疑問を抱かないし、それを不条理だとも思わない。
一方で、徹底した不条理として書かれるムルソーの死と生。最後の追いつめていくような審理、絶望の中に自らの思想を見いだす心は読んでいてドキドキしたが、それは理想では無いのだ。
私は死した後に、人に何かを思い出させる人間になりたい。
虚無の中に、何かを見つめさせる人間として死にたい。
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