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なんとなく、これは梨木の挑戦作だったのではないかと思う。どこかノスタルジーを感じさせる文章を得意とする梨木だが、ここまで堂々と100年ほど前の話、と銘打って書いたものは初めてではないだろうか。そして舞台もどうやら東京などではないようだ。

駆け出しの作家、綿貫征四郎は、早逝した友人・高堂の実家の家守りをすることになる。そこではサルスベリが綿貫に懸想し、池には鮎の姿の人魚が泳ぎ、友人の高堂は掛け軸の湖からボートを漕いでやってきて、夜な夜な言葉を交わす。綿貫はそれが不思議なことだとはわかっているが、不思議は不思議のままで深く追求したりしない。そうして不思議なものと共存しながら家を守り続ける。

根っからの和風テイストがまず新鮮だ。そこには自然住み着いた犬のゴローがいて、犬好きの隣家のおかみさんがいて、生臭ものを食べる和尚がいて、みんなそれぞれ楽しく暮らしている。日本人のDNAに刻まれたノスタルジーが呼び起こされる作品だ。
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